| ― 伝 説 ― |
関之尾公園に伝わる物語
今から六百年前、時の都城城主 北郷資忠(ほんごう
すけただ)公が、家臣を引き連れて、ここで、月見の宴を行いました。こうこうたる月に映える滝の美しさ、甌穴の不思議な水の流れに、一行は酔っていました。この宴に、庄内一の美女、十八歳の通称お雪(おしず)がよばれ、殿様にお酌をしますが、緊張のあまり酒をこぼしてしまいました。それを苦にしたお雪は、宴の終わった後、滝つぼに身を投げました。お雪の恋人経幸(つねゆき)は、日夜悲嘆にくれて、滝の上から声を限りに、お雪の名を呼び続け、泣き悲しみ、槍の穂先で、岩に思いをこめた、一首の歌を刻み残し、行方が分からなくなりました。
書きおくも かたみとなれや 筆のあと
また会うときの しるしなるらん
この経幸の想いが通じて、毎年名月の夜になると、朱塗りの盃が、滝つぼに浮かんでくるのでした。
二人を偲んで、恋人同士で、男滝、女滝に酒を流すと必ず結ばれるという。 |
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